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じわっと口の中に唾液がこみ上げる。急に痛いほどの空腹を覚えた。無意識に腹を片手で押さえながら、紫紋は吸い寄せられるように戸口に近づいた。手を伸ばして横に引くと、拍子抜けするくらいすらりと戸が開いた。
とたんに、いっぱいのかつおの香りに包まれた。醤油と砂糖が絡んだ甘い香りと、鍋の中でやわらかく何かが煮詰まる音。紫紋は室内を見渡した。
原田マハさんのまぐだら屋のマリアより

醤油と砂糖が絡んだ甘い香り
- 2022/01/12
- 18:48
じわっと口の中に唾液がこみ上げる。急に痛いほどの空腹を覚えた。無意識に腹を片手で押さえながら、紫紋は吸い寄せられるように戸口に近づいた。手を伸ばして横に引くと、拍子抜けするくらいすらりと戸が開いた。
とたんに、いっぱいのかつおの香りに包まれた。醤油と砂糖が絡んだ甘い香りと、鍋の中でやわらかく何かが煮詰まる音。紫紋は室内を見渡した。

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- テーマ:文学・小説
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