読書を趣味に ≫ 緊張の表現、描写を小説から学ぶ ≫ メジャーを持つ手が汗で濡れた。
メジャーを持つ手が汗で濡れた。
- 2020/04/18
- 08:00
「光栄です、早速、採寸させて戴きます」と答えてから、小柄な私は、椅子の上に乗って採寸した。身長百九十センチ、胸囲百三十センチ、首廻りは四十八センチだった。普段、採寸しない私は緊張し、メジャーを持つ手が汗で濡れた。採寸を終えて、何枚作ればよいのですかと聞くと、
「二ダースを一週間でやってほしい」
と云われ、私は返事に窮した。山崎豊子さんの
沈まぬ太陽 アフリカ篇 下より
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- テーマ:文学・小説
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- カテゴリ:緊張の表現、描写を小説から学ぶ
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