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空の描写をおすすめ小説から学ぶ
- 2020/03/15
- 20:03

高く澄みきった空に、鱗雲が浮かび、秋風がたつ季節になった。山崎豊子さんの沈まぬ太陽より
薄暗い空の彼方に、ぽつんと紅い点のようなものが浮かんだかと思うと、みるみる丸く膨らみ、側峰のマウェンジ峰の背後から、オレンジ色の光輪を放った。雲海を押し分け、空一面を紅く染めて、太陽はぐいぐいと昇って行く。荘厳な日の出の一瞬であった。山崎豊子さんの沈まぬ太陽より
オフィスの窓から見える高い空の遠くに、黒いカーテンのような雨雲が垂れ下がったかと思うと、ざっと雨が降り出し、みるみる、辺りが暗くなった。山崎豊子さんの沈まぬ太陽より
濃厚なブルーの空に、雪山のような雲が動き、果てしない草原に、灼けつく太陽の陽炎が波打っている。視界を遮る何ものもない。山崎豊子さんの沈まぬ太陽より
日差しはもう夏に近い。窓の外に覗く空には、積乱雲が元気に伸び上がっている。
いい日和りだ。有川浩さんの塩の街より
厚い雪雲に遮られた陽光が更に翳りを増す。中山七里さんのヒートアップより
空は鈍色(にびいろ)に濁っていた。頬に刺さる風は尖っていて、今にも雪がちらつきそうに思える。中山七里さんの贖罪の奏鳴曲(ソナタ)より
外に出ると、鈍色(にびいろ)だった空は黒さを増していた。中山七里さんのヒートアップより
外はでっかい太陽が西の空ぎりぎりに浮かんで、家の前の通りをオレンジ色に照らした。瀨尾まいこさんの戸村飯店 青春100連発より
駅から伸びる緩やかで長い坂道。もうすぐ春を迎える空から、暖かい日差しが遠慮がちに降っている。瀨尾まいこさんの戸村飯店 青春100連発より
暗幕が風に揺れる。雲が増え、ほとんど星は見えなかった。沢木冬吾さんの償いの椅子より
午後四時近い。陽がだいぶ陰ってきている。陰気な色のちぎれ雲が速足で駆けていく。風が出てきた。沢木冬吾さんの償いの椅子より
厚く明るい雲が、空一面を覆っていた。雨の心配はなさそうだが、陽が顔を出す気配も感じられない。沢木冬吾さんの償いの椅子より
「やれやれ」八田は帽子を被り整え、細長く切り取られた空を見上げた。
ちぎれ雲が速足で駆けていく。沢木冬吾さんの償いの椅子より
一筋の雲が空の高み目指して伸びているのが見えるだけで、久しぶりに晴れ上がった秋の一日になりそうである。堂場瞬一さんの被弾より
川沿いの遊歩道を歩きながら、夕焼けで真っ赤に染まる空を見上げた。垣谷美雨さんの老後の資金がありませんより
空を見上げる。街灯の光の中で、大きな雪の粒が乱舞していた。雪の照り返しを受けて、心なしか街灯が明るくなっているように思えた。堂場瞬一さんの雪虫より
空気が重く、湿り気を帯びていた。薄い雲が、グレイの絵の具を流したように空を覆い尽くしている。堂場瞬一さんの雪虫より
「へえ」おれは間抜けな声を出した。それほど美しい夜空だった。無限に広く、限りなく漆黒に近いディスプレイに、無数の光源が点在していた。その配置は完璧だった。見つめていると、心が何かに吸い込まれそうになる。東野圭吾さんのゲームの名は誘拐より
空は陽の支援が切れかかっているようで、濃い色に変わっていく。沢木冬吾さんのライオンの冬より
空はソーダ色で、果てしなく澄み切っていた。ふたつあった雲は、ホイップクリームのように、まだ並んで浮かんでいる。奥田英朗さんのナオミとカナコより
薄曇りの空は、万遍なくスプレー塗装したかのように表情はなく、遠近感もなかった。奥田英朗さんのナオミとカナコより
強風は相変わらずだが、雲が切れはじめ、空が見えてきた。月明かりがふってきて、森を白々しい光で満たす。沢木冬吾さんの約束の森より
それぞれ高度も様子も違う雲たちが、夕日を受け、天空に美しいモザイクを描き出す。沢木冬吾さんの約束の森より
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空の描写をおすすめ小説から学ぶ 2020/03/15
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