読書を趣味に ≫ 雨、風の表現、描写を小説から学ぶ
霧のような小さなつぶが空気に貼りつけられたように漂っていた
- 2022/12/09
- 22:42

「ほら、如月さん。雨、止みそうですよ。静かだからもう止んでるかと思ったけど、残念ながらまだ。でもずいぶん小降りになりました」 言われた彼女の肩越しに表を見た。曇ってこそいたが雨に勢いはなく、霧のような小さなつぶが空気に貼りつけられたように漂っていた。浅倉卓弥さんの四日間の奇蹟...
水滴が曇りガラスを這うように流れている
- 2022/12/08
- 21:24
透明のビニール傘の表面を雨粒がつるつると滑り落ちていく
- 2022/07/01
- 21:13

見上げる先で、透明のビニール傘の表面を雨粒がつるつると滑り落ちていく。綺麗だなあ。そんなふうに感じたのは久しぶりだった。ゆっくり呼吸すると、土と埃、懐かしい雨の匂いがした。凪良ゆうさんの流浪の月より...
ぽつんとつむじを叩かれた。鉛色に塞がれた空から透明の滴が降ってくる
- 2022/07/01
- 20:14
分厚い雲が町全体を不穏に覆っていて、稲光に遅れる地響きの轟音
- 2022/03/05
- 14:15
電灯の光が細かい粉のように彼女の体のまわりにちらちらと漂っていた
- 2021/12/20
- 21:06
透明のビニール傘を叩く雨粒が傘を持つ右手の指先に響きます
- 2021/09/25
- 17:55
気怠さと心地良さの綯い交ぜになった乾いた風
- 2021/07/06
- 18:42
古ぼけた赤い色をにじませる雨は、朝まで続くらしい
- 2021/03/05
- 16:17
細かな春の雨が、煙のようにサーチライトを巻いていた
- 2021/01/29
- 06:44
春の雨が車窓を斜めに縫っている
- 2021/01/29
- 06:32
銀色の表面を朝日に反射させてまばゆく照り輝いている
- 2021/01/19
- 14:49
明るい雨が降っていた
- 2020/12/16
- 12:00

明るい雨が降っていた。まもなく天気が回復し、薄日が差すであろう予感を孕んだ明るさだった。少し蒸し暑くはあるものの、この湿気も京都らしく、菜穂は嫌いではなかった。原田マハさんの異邦人(いりびと)より...
風向きが変わるたびに霧雨が揺れる
- 2020/08/26
- 09:00

霧雨の表現 一晩中音をたてて降っていた雨が、夜明けとともに勢いをなくした。 風向きが変わるたびに霧雨が揺れる。湿った空気の底で大野山が黒い輪郭をみせていた。帚木蓬生さんの閉鎖病棟より...