読書を趣味に ≫ 生死の表現、描写
ひとしきり胸を膨らませると、そのまま動かなくなった
- 2020/12/27
- 09:50

とりちらかった床板の酒や肴にまみれて、老人はぼんやりとサッシ窓の小さな冬空を仰ぎ見、白い太陽のありかに目を細めながら、ひとしきり胸を膨らませると、そのまま動かなくなった。浅田次郎さんの日輪の遺産より...
まるで枯れた葉っぱが枝から離れて落ちるみたいに、ある朝、ふわりと静かに息を引き取ったのだ
- 2020/11/13
- 09:00

ママは、そのまま何も言わずに旅立った。最後くらい、一言でも何か言い残してくれたらよかったのに、呆気ないほど自然に、まるで枯れた葉っぱが枝から離れて落ちるみたいに、ある朝、ふわりと静かに息を引き取ったのだ。小川糸さんのにじいろガーデンより...