○○のおかげで人生が一段と楽しくなった ≫ 悲しみ、苦痛の表現、描写をおすすめ小説から学ぶ
前歯で唇を噛みしめると、悲しいえくぼが頬にうがたれた
- 2021/03/29
- 21:50
みち子の瞳はしおたれるように悲しくなった
- 2021/03/28
- 21:14
清音の笑顔が一瞬、泣き出す寸前のようにやわらかく歪むのを見た気がした
- 2021/03/05
- 16:01

電車がゆっくりと動き出す。清音の笑顔が一瞬、泣き出す寸前のようにやわらかく歪むのを見た気がした。 車窓は明るいひと続きの風になって、線路の彼方へと消えていった。原田マハさんのキネマの神様より...
知らず知らず膨らんでいた期待が、あっというまに萎んでいく
- 2020/12/08
- 09:00
彼女を包む優雅な気配は、日が沈むようにゆっくりと翳りを見せ始めていた
- 2020/12/07
- 09:00

薫は顎を引き、綾音の様子を見つめた。美貌の容疑者は、目を伏せ、唇を結んだ。まだかすかに笑みを残してはいたが、彼女を包む優雅な気配は、日が沈むようにゆっくりと翳りを見せ始めていた。東野圭吾さんの聖女の救済より...
彼女は崩れるように床に膝をついた。肩が小刻みに震えるのを草薙は見た
- 2020/12/04
- 09:00

悲しみと衝撃が、改めて綾音の全身を襲ったらしい。彼女は崩れるように床に膝をついた。肩が小刻みに震えるのを草薙は見た。しゃっくりするような泣き声が、かすかに漏れている。東野圭吾さんの聖女の救済より...
彼の表情に浮かぶ陰鬱な色
- 2020/10/07
- 09:00
この言葉は沙織の胸に鋭く突き刺さった。その剣先は心の奥底まで達し
- 2020/09/12
- 18:00

この言葉は沙織の胸に鋭く突き刺さった。その剣先は心の奥底まで達し、長年秘め続け、もはや自分でも手がつけられなくなっていた古傷に触れた。そのあまりの痛みに目眩がしそうになった。東野圭吾さんの虚ろな十字架...
気持ちは石のように動かない
- 2020/08/26
- 15:00

落ち込む気持ちの表現 秀丸さんがいなくなった。島崎さんもどこに行ったかわからない。そのうえ明日から昭八ちゃんも姿を消す。 本当は昭八ちゃんの退院を心から喜んでやらなければいけないのに、気持ちは石のように動かない。帚木蓬生さんの閉鎖病棟より...
胸の奥の裏側から何かがどろりと溶け出してきそうな気持ち
- 2020/07/11
- 08:00
気持ちが得体の知れないマーブル模様のように歪んで捩れて、感情が一つの場所に吸い込まれていく
- 2020/07/05
- 08:00

感情がバラバラの表現 俯くと、涙が出そうだった。 感傷的になっているのか、せつないからか、チエミに会いたいからか。どれかわからず、どれでもあり、どれでもない。気持ちが得体の知れないマーブル模様のように歪んで捩れて、感情が一つの場所に吸い込まれていく。辻村深月さんのゼロ、ハチ、ゼロ、ナナより...
泣きたい気持ちが、ストローで吸い上げるようにきゅーっと胸元までせり上がってくる
- 2020/06/28
- 08:00

別れの辛さの表現 さよなら、南の島。ありがとう、つるかめ助産院。 私は何度もその言葉を繰り返した。たった三日間留まっただけなのに、泣きたい気持ちが、ストローで吸い上げるようにきゅーっと胸元までせり上がってくる。小川糸さんのつるかめ助産院より...
キャラメルマキアートの苦みが、胃の中で突然、波打ち始める
- 2020/06/15
- 08:00

嫌なことを思い出す表現「でも大変だね。それをやりながら、本の執筆も続けるんでしょ?」 本の執筆。 さっきまで感じていなかったキャラメルマキアートの苦みが、胃の中で突然、波打ち始める。「うん、まあね」「ほんとに強いよ、あんたは」朝井リョウさんの世にも奇妙な君物語より...
胸にこみ上げてくる思いが、僕の内なる紐を引っ張ろうとする
- 2020/06/07
- 08:00

別れの悲しみの表現 玄関まで見送りに来てくれた霜月りさ子は、「あの」と声をかけてくれた。「結婚する星野さんにこういうことを言うのもなんですけど、この一年半、楽しかったです。会えて良かったです」 言葉に詰まる。胸にこみ上げてくる思いが、僕の内なる紐を引っ張ろうとする。紐が解けた途端、自分の涙腺が緩み、心の柱がふやけ、その場にぺしゃんこになるのは間違いなかった。伊坂幸太郎さんのバイバイ、ブラックバード...
透明の、珠のようなものに罅(ひび)が入る感覚に襲われた。痛みとも痒みとも異なる皹(ひび)が胸にできる
- 2020/06/07
- 08:00

未練、別れのさびしさの表現 僕もそれに続き、部屋のドアに近づくが、もうここには来ないのだな、と思うと胸の中の、透明の、珠のようなものに罅(ひび)が入る感覚に襲われた。痛みとも痒みとも異なる皹(ひび)が胸にできる。廣瀬あかりの部屋をぐるりと見渡す。この場所に初めて来た時の記憶が蘇ると、目尻が湿るような予感がし、慌てて首を左右に振った。伊坂幸太郎さんのバイバイ、ブラックバードより...