読書を趣味に ≫ 記憶の表現をおすすめ小説から学ぶ
糸がふっつりと切れてしまったように、記憶はそこで止まっていた
- 2022/01/16
- 18:50
私の中でたった一つの大きな疑問として結晶し、脳裏の奥にこびりついていた
- 2021/10/17
- 16:38

どんなに月日が流れても、あの夜のことを私は忘れられなかった。いくつかの不可解な出来事は、私の中でたった一つの大きな疑問として結晶し、脳裏の奥にこびりついていた。 なぜ母は自殺したのか、ということだ。東野圭吾さんの分身より...
ジグソーパズルが独りでに組合わさっていくように、慎介の頭の中で記憶が形を整えていった
- 2021/10/15
- 20:37

たくさんのジグソーパズルが独りでに組合わさっていくように、慎介の頭の中で記憶が形を整えていった。漠然としていたものは、その輪郭をはっきりとさせ、乱雑だったものは順序よく並び、欠けていた部分は補充されていった。東野圭吾さんのダイイング・アイより...
「雑多なもの」というラベルを貼った引き出しの奥底に紛れ込んでいるらしかった
- 2021/10/11
- 21:15

キシナカレイジ、と今度は慎介が口の中で反復する番だった。その名前の知り合いはいなかった。だが脳の中にある何かを刺激する名前であることはたしかだった。それが記憶の中の、どの引き出しに入っているものなのか、慎介は必死で考えようとした。だが思い出せなかった。どうやらその名前は、「雑多なもの」というラベルを貼った引き出しの奥底に紛れ込んでいるらしかった。東野圭吾さんのダイイング・アイより...
何かの映像が、脳裏のスクリーンに映し出されようとしていた
- 2021/10/10
- 08:46

何かの映像が、脳裏のスクリーンに映し出されようとしていた。しかしなかなかはっきりしてこない。深い霧のようなものが、映像を遮っている。 突然、その霧がふっと途切れた。隙間から、鮮明な絵が出現した。東野圭吾さんのパラレルワールド・ラブストーリーより...
幾つかの情報が、互いに吸いよせられるかのように集まってきた
- 2021/08/06
- 13:12

脳が勝手に動いていた。まったく無関係に存在していた幾つかの情報が、互いに吸いよせられるかのように集まってきた。翳りのある目。肌の手触り。それらは一つの結論を求めて形をなそうとしている。だが、うまくくっつかない。形にならない。きっとそう、まだ何かが足りないー。横山秀夫さんの顔(FACE)より...
頭の中では記憶の回線がパチパチとショートし始めていた
- 2021/07/25
- 18:53

淡々と話すジュリエットの様子をみつめるうちに、ティムの頭の中では記憶の回線がパチパチとショートし始めていた。 おれは、確かに、彼女と会ったことがある。いや、見かけたような気がする。 わからない。いつ、どこで見かけたんだー。原田マハさんの楽園のカンヴァスより...
心のひだにぐいっと指を突っこんできて、そのまま抜けずにおりました
- 2021/07/25
- 07:26
脳の皺の一部と化して藤原の意識の奥深くに今も留まっているはずだ
- 2021/05/14
- 22:07
一枚の写真のように、勇作の脳裏に強く焼きつけられた
- 2021/04/18
- 21:38
目醒めの床の夢のように、思いたどるそばから遠ざかって行くのだった
- 2021/03/30
- 22:18
母がこんがらがった記憶の糸玉を抱えて
- 2021/03/21
- 16:23
襞(ひだ)の一枚一枚を数えるような細かな説明
- 2021/02/22
- 06:44

島田が極めて優秀な証人だったのは間違いない。死にかけた少女を発見するというのは非常に衝撃的な出来事だが、島田は冷静にディテールを覚えており、襞(ひだ)の一枚一枚を数えるような細かな説明は、最初から全く揺るぎがなかった。堂場瞬一さんの長き雨の烙印より...