読書を趣味に ≫ 冬の表現、描写をおすすめ小説から学ぶ
革靴の跫音(あしおと)が、アスファルトの歩道に、乾いた音を響かせていた
- 2022/03/08
- 21:58
鉄製の柵の冷たさが、ジーンズの生地を易々と通過して肌に伝わる
- 2022/02/05
- 14:54
きんと冷えた新しい朝、吐く息の白さまでもが蘇った
- 2022/01/13
- 22:01

今朝、霜柱を踏みしめたとき、紫紋の脳裏をかすめたふたつの風景があった。 広々とした故郷の畑。初霜が降りた日、思う存分踏みしめて遊んだ少年の日。きんと冷えた新しい朝、吐く息の白さまでもが蘇った。原田マハさんのまぐだら屋のマリアより...
霜柱をみつけて、さくさくと足の裏で冬の到来を知る
- 2022/01/13
- 21:33
僕は少し寒さに震えながら、痺れるような指先だけで
- 2021/09/25
- 18:09
陽は既に陰り、冷たい風が行き場のない枯れ葉を巻いていた
- 2021/05/16
- 15:09
顔より大きな白い息を吐いている
- 2021/05/11
- 16:41
少し前までは黄金色だったイチョウの葉がすっかり落ちて、細い枝が寂しく揺れていた
- 2021/05/09
- 09:28
背負ってきた冬の匂いが、ひんやりと真次の頬に伝わった
- 2021/03/21
- 10:36
身を切るような寒さと低い鈍空(にびぞら)しか記憶にはない
- 2021/02/19
- 07:02
空気はきんと冷えて、吐く息は白く見えたが、クリスマスを待ちわびる人々の顔は輝いていた
- 2021/01/19
- 06:21

シャンゼリゼ大通りには早々とクリスマス市が立ち、ガラス製のツリーのオーナメントやキャンドルを買い求める人々でにぎわっている。空気はきんと冷えて、吐く息は白く見えたが、クリスマスを待ちわびる人々の顔は輝いていた。原田マハさんの暗幕のゲルニカより...
トレードマークの丸眼鏡が真っ白に曇っている
- 2021/01/16
- 21:59

「相変わらず君は熱心な読者のようだね、ヨーコ。ありがたいこった」 広げた新聞の向こう側で声がした。「ニューヨークタイムズ」のカイル・アダムスが分厚いコートを着たまま立っていた。トレードマークの丸眼鏡が真っ白に曇っている。瑶子は思わず笑ってしまった。原田マハさんの暗幕のゲルニカより...
川面を渡ってくる北風に身をすくめながら
- 2021/01/11
- 13:35
曇った車窓を指先でこすってみる。宵闇が迫り、色をなくした川沿いの風景に、点々と雪が灯っていた
- 2020/12/22
- 08:10
ぴしゃりと平手打ちするかのような夜気があった
- 2020/12/12
- 15:00

駅構内から出てきた一輝は、身震いをして、トレンチコートの襟を立てた。 底冷えする冬のなごりが夜の空気にはあった。湿った花の香りとともに、ぴしゃりと平手打ちするかのような夜気があった。原田マハさんの異邦人(いりびと)より...