○○のおかげで人生が一段と楽しくなった ≫ 建物、街、屋外の表現、描写を小説から学ぶ
マッチ箱を連ねたような古い借家が棟を並べている
- 2021/01/07
- 18:18

街道の喧騒とはうらはらに、脇道を入った住宅地には、すでに新年を迎える静謐さが感じられた。 金原庄造の豪壮な屋敷と地続きになった一角に、マッチ箱を連ねたような古い借家が棟を並べている。浅田次郎さんの日輪の遺産より...
いかにも時代遅れの喫茶店といった風情だ。枯れたツタがところどころへばりついている
- 2020/12/22
- 18:00
午後五時を過ぎた公園は陽が陰り始めて、錆びついた滑り台がもの悲しそうに佇んでいる
- 2020/11/25
- 18:00

男は公衆電話ボックスに入った。 ボックスの中からあたりを見回した。辺鄙な町の公園には人の姿はなかった。午後五時を過ぎた公園は陽が陰り始めて、錆びついた滑り台がもの悲しそうに佇んでいる。薬丸岳さんの闇の底より...
外壁は剥げ落ちていて、ひびが蜘蛛の巣のように走っている
- 2020/11/23
- 18:00
その先は街頭の少ない薄暗い道が続き、奥には鬱蒼と生い茂った雑木林が広がっている
- 2020/11/23
- 15:00

しばらく上がっていくと、左手にゴルフの打ちっぱなし練習場の明かりが見えた。その先は街頭の少ない薄暗い道が続き、奥には鬱蒼と生い茂った雑木林が広がっている。雑木林の手前にはなだらかな台地に造成された住宅街があり、加奈の自宅も住宅街の一角にあった。薬丸岳さんの闇の底より...
数本の街灯がブランコや砂場を寂しく照らしている
- 2020/11/23
- 15:00
道路に面した壁に「田」の字に見える窓が並んでいる。入り口のドアは木製で、真鍮製と思われるドアノブが付いていた
- 2020/11/21
- 18:00

『伊庭医院』は、そんな住宅街の中にあった。灰色の四角い建物で、外から見たかぎりでは三階建てだった。道路に面した壁に「田」の字に見える窓が並んでいる。入り口のドアは木製で、真鍮製と思われるドアノブが付いていた。どう控えめにみても、五十年は経っていそうな建物だ。掲げられている『内科』という看板も変色しており、かなりの年代を感じさせる。東野圭吾さんの夢幻花より...
屋上の上に据え付けられた浅川病院という看板が、まわりののどかな風景だけでなく、幹夫自身をも見下しているように思える
- 2020/10/23
- 21:00

民家や田畑が連なる景色の中で一際大きな六階建ての建物が目に入った。屋上の上に据え付けられた浅川病院という看板が、まわりののどかな風景だけでなく、幹夫自身をも見下しているように思える。薬丸岳さんのその鏡は嘘をつくより...
街路樹とグリーンベルトを贅沢に調(あつら)えた道路は渋滞することがなく
- 2020/10/20
- 09:00

しかし多くの住人たちにとって、思惑のはずれた都市計画はむしろ好ましかった。街路樹とグリーンベルトを贅沢に調(あつら)えた道路は渋滞することがなく、公園は多すぎるほどで、休日に家の周辺を散策していると、いかにも支払った税金を取り返しているという実感があった。浅田次郎さんの椿山課長の七日間より...
周囲の箱型ビルを時代遅れと一蹴するような多面構造になっていて、その外観は精巧なガラス細工を思わせる
- 2020/10/03
- 09:00

青山通り沿いに建つミヤコテレビドラマの新社屋は、通り沿いとはいいながらもずいぶん奥まったところにその威容を屹立させていた。エントランスの懐の深さは、ほかの高層ビルにもない、ある種の別世界ぶりを際立たせている。二十数階の高さを誇る建物は周囲の箱型ビルを時代遅れと一蹴するような多面構造になっていて、その外観は精巧なガラス細工を思わせる。雫井脩介さんの犯人に告ぐ...
タイル張りの大きな家だった。表門は閉ざされ、車庫のシャッターも下りている
- 2020/09/30
- 18:00
門扉が錆びた小さな門、形ばかりの庭があり、その先に玄関ドアがあった。ドアまでのアプローチに置かれているのは、四角い石がたったの四枚
- 2020/09/26
- 15:00

車から降り、家の前に立った。門扉が錆びた小さな門、形ばかりの庭があり、その先に玄関ドアがあった。ドアまでのアプローチに置かれているのは、四角い石がたったの四枚。東野圭吾さんの危険なビーナス...
ごちゃごちゃした景色が間延びするようにゆったりとしてきた
- 2020/09/17
- 15:00

ほかの町と同じような商店街があり、スーパーマーケットやドラッグストア、本屋、不動産屋、洋菓子屋、パン屋、喫茶店、学習塾、美容室などが通りに連なっている。その一帯を抜けると、北に伸びる二車線道路の左右に民家やマンションが立ち並ぶ住宅街へと風景を変える。駅から離れるにつれ、ごちゃごちゃした景色が間延びするようにゆったりとしてきた。雫井脩介さんのクローズド・ノート...
三階建てのオフホワイトのタイルが張られた店舗は、
- 2020/09/14
- 09:00

[今井文具堂]は駅前といっても目抜き通りの外れに建っているのだが、創業は戦後すぐにという、なかなかの老舗らしい。三階建てのオフホワイトのタイルが張られた店舗は、十年くらい前に、今は亡き先代の創業社長が置き土産のように建てていった悲願のビルなのだとか。雫井脩介さんのクローズド・ノート...
緑が豊かな住宅街で、洒落た民家が増えてくる
- 2020/09/12
- 09:00