○○のおかげで人生が一段と楽しくなった ≫ 緊張の表現、描写を小説から学ぶ
胸の中で、ごとんと大きな石が動いたように心臓が鳴った
- 2020/12/10
- 09:00

「ばあちゃん、ただいま」 きっちりと閉められた襖の向こう側に向かって、人生は声をかけた。 部屋の中はしんと静まり返って、返事がない。電気もついていないようだ。 ……まさか。 人生の胸の中で、ごとんと大きな石が動いたように心臓が鳴った。とてつもなく悪い予感が、体の中心を稲妻のように駆け抜けた。原田マハさんの生きるぼくらより...
ひくついた心臓を隠して
- 2020/11/04
- 18:00
開きかけた唇を一度閉じる。舌で湿らせてから
- 2020/07/04
- 08:00

「お若いですね」 ちらっと私を見た目と声が、微かに笑って聞こえた。開きかけた唇を一度閉じる。舌で湿らせてから、「『天使のベッド』は閉鎖されるのですか」と尋ねた。辻村深月さんのゼロ、ハチ、ゼロ、ナナより...
心臓が、人間に触れられたダンゴムシのようにくるんと縮こまる
- 2020/06/17
- 08:00

緊張して萎縮する表現 もうほとんど真下を向いてしまいながら、知子は、この場にいる人たちの視線がすべて、自分のつむじのあたりに集まっているのを感じた。「あの子、私、大学で同じクラスですけど、ほんっと友達なんてひとりもいない感じですもん」 心臓が、人間に触れられたダンゴムシのようにくるんと縮こまる。朝井リョウさんの世にも奇妙な君物語より...
口を動かしたが、うまく声にならなかった
- 2020/05/24
- 08:00
たっぷりと重い空気が沈滞してから
- 2020/05/16
- 08:00

重い雰囲気の表現をおすすめ小説から学ぶ そんなことになっている予感が微塵もなかったのは沖野と同様だったらしく、彼女はしばらく絶句して、ただ沖野を見つめていた。「どういうこと?」 たっぷりと重い空気が沈滞してから、彼女がそう呟いた。雫井脩介さんの検察側の罪人より...
唇を横に結び、ごくりと唾を呑んだ
- 2020/04/25
- 08:00

「それは、私にもわからない。ただ、とても気になることだけは確かなんだ。私の思い込みだといいんだが……」 お爺さんは唇を横に結び、ごくりと唾を呑んだ。道尾秀介さんの向日葵の咲かない夏【中古】 向日葵の咲かない夏 / 道尾 秀介 / 新潮社 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング7netWowma...
唇が、すっと横に結ばれる
- 2020/04/25
- 08:00

お爺さんは少し口ごもってから、「息子さんのことで」と言った。S君のお母さんの唇が、すっと横に結ばれるのがわかった。それから二人は、その場に立ったまま黙り込んでしまった。道尾秀介さんの向日葵の咲かない夏【中古】 向日葵の咲かない夏 / 道尾 秀介 / 新潮社 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング7netWowma...
メジャーを持つ手が汗で濡れた。
- 2020/04/18
- 08:00

「光栄です、早速、採寸させて戴きます」と答えてから、小柄な私は、椅子の上に乗って採寸した。身長百九十センチ、胸囲百三十センチ、首廻りは四十八センチだった。普段、採寸しない私は緊張し、メジャーを持つ手が汗で濡れた。採寸を終えて、何枚作ればよいのですかと聞くと、「二ダースを一週間でやってほしい」 と云われ、私は返事に窮した。山崎豊子さんの沈まぬ太陽 アフリカ篇 下より沈まぬ太陽(2(アフリカ篇・下)...
緊張した表現、描写を小説から学ぶ
- 2020/03/15
- 20:02

これが失敗したら大変なことになるー そう考えると、大友も心臓が喉元にせり上がってきそうな緊張をを覚えた。堂場瞬一さんの高速の罠より 俺は八時には布団に入り、冴えまくる目と跳ね上がる心臓を気合いで押さえ必死で眠った。瀨尾まいこさんの戸村飯店 青春100連発より 全身が心臓になったのかと思うほど、指先までドクドクと波打ってきた。垣谷美雨さんの夫の墓には入りませんより...