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男性の見た目の表現、描写
- 2019/12/01
- 09:00

今日もきちんとダークグレーのスーツを着こみ、ネクタイを綺麗なえくぼができるように締めている。シャツは薄いパープル、ネクタイは小紋の散った濃紺と、洒落っ気と生真面目さの中間で絶妙なバランスを取ったようなコーディネートだ。堂場瞬一さんのバビロンの秘文字Ⅱ 追跡篇より
アイルランド系のこの男は、角張った細長い顔に銀縁の眼鏡をかけて冷たいイメージを作り上げ、決して笑わない。堂場瞬一さんのバビロンの秘文字Ⅱ 追跡篇より
Aは三十歳。半分目が開いていないものの、生気に満ちた顔つきで、いかにも女にもてそうである。ジーンズに青いシャツ一枚というラフな格好で、シャツのボタンはへその上まで開いていた。綺麗に割れた腹筋が覗く。堂場瞬一さんのバビロンの秘文字より
スティーグ・ラーションだとすぐに分かった。冗談のように目立つ体形なのだ。上から圧縮したように背が低く、丸々している。長年の不摂生の結果は、一目見たら忘れられない。白くなった髪の毛は、両耳の上にわずかに残っているだけで、ふさふさの髭を生やしているのは、顔全体の毛の総量バランスを保っているつもりかもしれない。堂場瞬一さんのバビロンの秘文字より
改めて見ると、男はごく普通のビジネスマンといった風体である。背広にネクタイ、薄手のコートの前をはだけているので、突き出た腹が目立つ。年の頃、四十歳ぐらいか。金髪は既に薄くなりかけており、額が広かった。堂場瞬一さんのバビロンの秘文字より
現れたのは二十代後半ぐらいに見える、太い黒縁メガネの男だった。自然に伸ばした長めの直毛で、顔の半分ほどが隠れていた。沢木冬吾さんの約束の森より
中央にいる男が声をかけてきた。「あんたが奥野侑也って人?」
髪は古風なリーゼント気味のオールバックに仕上げている。額に刻まれた二本の深い皺と太い眉、がっしりとした顎を持つ、大銀杏が似合いそうな大男だった。沢木冬吾さんの約束の森より
ヴァルダロスは皺に埋まった細い眼をさらに細めて忠告したものだ。堂場瞬一さんの焔より
藍川は、八月に一度だけ会った長瀬の風体を思い浮かべた。肘が出て、皺だらけになったジャケットに、膝の抜けたコットンパンツ。耳を覆うほどの長さに髪を伸ばしていたが、髪形を主張するというほどのものでもなく、ただ床屋に行く金を惜しんでいるようだった。そしてあの、上目遣いの視線。こちらの財布の中を透かし見ようとでもいうような、粘りつく目つきだ。堂場瞬一さんの焔より
坂崎がすっと顔を上げ、にやりと笑う。歯並びが悪いな、と沢崎は改めて思った。病的に痩せており、ワイシャツがだぶついている。髪はきれいにオールバックに撫でつけ、夜十時近いこの時間になってもてらてらと光っていた。堂場瞬一さんの焔より
でっぷりと太った愛嬌のある体形で、オフィスのドアから自分のデスクまで歩くだけで息を切らしている。冗談のように大きな黒ぶちの眼鏡と蝶ネクタイがトレードマークで初対面の人間は誰でも、疲れて健康上の問題を抱えた初老の男というイメージを抱く。堂場瞬一さんの焔より
二十八歳だといっていたが、かさかさで薄くなった髪と、顔全体に浮き上がった脂を見て、とてもその年齢には思えなかった。薬丸岳さんの「虚夢」より
北見先生は白い長袖の綿シャツを、裾を外に出して着ていた。下は洗いざらしのチノパンで、白いソックスがスリッパとの間から見えた。雫井脩介さんの虚貌より
老人が一人ぽつんと椅子に腰かけていた。一見して演出家のような役割をしているように思える。ずんぐりむっくりとした体型で、長い銀髪を後ろで縛っている。
あごひげを生やし、頬や目の下がたるんだ気難しそうな顔立ちをしている。歳は七十前後か。いかにも芸術家という風貌であり、また、野性的にも見えた。雫井脩介さんの虚貌より
髪の毛は見事に白くなっているが、背筋が伸びていて物腰に品があった。雫井脩介さんの虚貌より
部屋の入口に北見先生が姿を見せた。いつもの優しい笑顔で、若々しく柔らかい声だった。ゆったりとした綿のズボンにクリーム色のVネックセーターを着ている。背丈は辻と変わらないくらいだが、背筋が伸びてすらりと見える。雫井脩介さんの虚貌より
向かいに北見先生が座る。歳は四十前後というところだ。艶のある前髪が眉毛の上までかかっている。髪の毛は全体にボリュームがあり、耳も半分隠れている。多少白いものが混じっているあたりも柔和に見える。目尻の皺も優しげだ。雫井脩介さんの虚貌より
カーテンが半分開き、ごつごつとした身体つきの男が背中を丸めて入ってきた。背丈は百八十センチはないくらいか。以前はもっと大きく見えたが、だんだんと肉が削げてきている感じがする。
滝中はスーツ姿だった。短い髪は白髪が混じって乾いていた。頬骨の張った四角い顔をして、双眸が大きい。雫井脩介さんの虚貌より
高江社長はだらしなく口を開けて顔を上げた。五十を過ぎてすでに前頭部がはげ上がり、ちりちりの髪を無造作に伸ばした男だ。小柄で小太り、いつでもゴルフに行けるような格好をしている。もさっとした感じの中年だが、青いフレームの眼鏡が業界的な軽さを覗かせている。雫井脩介さんの虚貌より
一見して蛇を思わせる男だった。吊り上がった眼に頬骨が張り、顎が三日月型にしゃくれている。髪は地肌に張りつくような短いパンチパーマだった。身体にぴったり仕立て上げたスーツを着て、イタリアもののネクタイを結んでいる。首にはいくつもの筋が走っていた。雫井脩介さんの虚貌より
山田さんはセーターに革の短いコートを羽織っていた。四十五、六という年齢よりはもう少し若く見える。
銀色のフレームの眼鏡をかけ、癖のない髪はサラリーマン風に短くこざっぱりとまつまっている。中肉中背で荒とそれほど変わらない体格である。雫井脩介さんの虚貌より
四角い顎と、張り出した頬骨と、意志の強そうな眉。頭はツルリと磨かれたスキンヘッドで、蛍光灯の光を見事に反射させている。森沢明夫さんの大事なことほど小声でささやくより
敬礼しながらそう訊いた嶋田巡査部長は、痩せて背の高い男だった。浅黒い肌に白髪交じりの髪、目と口がとても大きくて、笑うと顔中に皺が寄る。内藤了さんの「LAEKリーク」より
本当に怒っているときは眉間に描き込んだような見事なシワが二本立つ。やや後退気味の額は血色良くつるりとしているので、縦に刻まれる二本がやけに目立つ。
たった二本のシワだが片山を打ちのめすには充分だった。有川浩さんの空飛ぶ広報室より
四角い顎と、張り出した頬骨と、意志の強そうな眉。頭はツルリと磨かれたスキンヘッドで、蛍光灯の光を見事に反射させている。森沢明夫さんの大事なことほど小声でささやくより
小柄な清水のカクカクした動きを見ると、比奈子はなぜか、カラクリの茶運び人形を思い出す。内藤了さんの「LAEKリーク」より
署長に呼ばれて別室へ行ったガンさんは、しばらくしてから男を連れて戻ってきた。男は四十がらみで厳つい体に四角い顔、ギョロギョロとよく動く大きな目玉を持っていた。内藤了さんの「LAEKリーク」より
小柄な体躯に白い肌、色素の薄い虹彩。中性的で、時折どこか淡い印象を醸し出すその医者は、四人の顔をざっと見るなり、「面談を希望の橋田さんと、そのご家族ですね。桐子です」と言った。二宮敦人さんの
「最後の医者は桜を見上げて君を想う」より
福原雅和は大股で渡り廊下を歩いていた。健康的に日焼けし、逞しく引き締まったその長身、端正な顔に意思の強さを感じさせる瞳。時折すれ違う職員や患者に会釈しながら、真っすぐに進んでいく。二宮敦人さんの
「最後の医者は桜を見上げて君を想う」より
白衣の若い医者が浜山を見て座っていた。大きい顔に対しアンバランスなほど小さな目は、分厚い黒縁眼鏡による錯覚だろうか。もしくは、その上で存在感を示している太く黒い眉のためか。
胸のプレートには「赤園」と名前があった。二宮敦人さんの
「最後の医者は桜を見上げて君を想う」より
内科医、音山晴夫は太り気味の腹を揺らしながら、汗を拭き歩いていた。ただでさえ丸顔なのに、軽く汗を含んだ髪が輪郭に沿ってしな垂れており、その頭は満月のように綺麗な円形に見えた。肌の血色は良く、頬などは赤く染まっている。二宮敦人さんの
「最後の医者は桜を見上げて君を想う」より
肩まで伸ばした髪には栄養が行き届いていないようで、しなやかさの欠片もない。その下に隠れた頬は、ノミで抉ったように陰になっている。堂場瞬一さんの「久遠」より
初老の男だった。ジャージの上下というラフな格好で、丸い腹が生地を突き上げている。短く刈り上げた髪はすっかり白くなり、顔の筋肉が全体に弛んでいた。堂場瞬一さんの「久遠」より
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- テーマ:文学・小説
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